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不動産情報ライブラリ

(Jimmyblog-No.0150) WebGISシステム「不動産情報ライブラリ」公開中 国土交通省により令和6年4月1日から 「不動産情報ライブラリ」 という名称の新しいホームページが公開されています。 不動産ライブラリ   目的としては“不動産取引において情報弱者である消費者に、地図上で分かりやすく不動産関連情報を表示する”ことにより“消費者の不動産購入等に係る検討を支援し、消費者保護や不動産取引の活性化を図る”こととあります。 パソコン・スマホ等からだれでも簡単にまとまった情報を入手 できるので、たとえば土地勘のないエリアへの移住を検討するとき、その地域周辺の環境などを確認することもできます。 何がスゴイ? 不動産(土地等)に関する多様な情報を、同じ地図上でまとめてチェック することができます。情報とは、たとえば 取引価格(成約価格)、都市計画、災害リスク、周辺施設(学校・病院他) 等々です。 取引価格は通常、不動産業者等限定のレインズ(全国指定流通機構)に登録しなければ見ることができませんが、それが掲載されています。 その他は、すでに国・県・市のホームページ等で公開されているデータも多くありますが、それらはバラバラに散らばっており、これまで多様な情報を入手するには、あちこちのホームページをさまよわなければなりませんでした。 そのような見る側にとっての不便さを解消すべく、情報を集約したのが「不動産情報ライブラリ」です。自分の見たい情報を選択して地図上に表示させ、必要があれば情報を重ね合わせて見ることもできます。 だれでも使える? 見るために、特別のソフトは必要ありません。 一部制限はありますが(推奨バージョン等はトップページの中央のボタン「利用約款」第10条(9)参照)、Windowsのパソコン、タブレット、スマホ等から、だれでも使うことができます。 閲覧だけなら利用申請も不要 です。 API連携 ライブラリの情報は、画面で見られるだけではありません。 データの一部はAPIで無償公開されており、必要に応じてWebサービスや研究開発等に活用できます。 APIの利用には申請が必要 ですが、ライブラリ内のページから簡単に申請できるようになっています。

不動産の相続登記が義務化

(Jimmyblog-No.0121) 相続した土地建物の登記が義務になる これまでは、不動産(土地・建物)を相続しても、相続登記(いわゆる名義変更)に期限は無く、しないままでもペナルティもありませんでした。 けれども不動産登記法の改正により、 令和6年4月1日から相続登記が義務化 されることとなります。 過去の相続にも遡って適用される この改正は、施行日(令和6年4月1日)以降の相続だけではなく、それ以前の 過去の相続についても適用 されます。 相続登記の申請期限 では、施行日(令和6年4月1日)以降、いつまでに登記しなければならないのでしょうか? 相続登記申請は ①相続財産に不動産(土地・建物)があることを知った日 ②施行日(令和6年4月1日) ①or②の いずれか遅い日から3年以内 にしなければならないとされています。 よってたとえば、 過去の相続 で不動産を取得したが相続登記(名義変更)はしておらず、そのまま10年経過してしまった・・・という場合であれば、 施行日(令和6年4月1日)から3年経過日が申請期限 となります。 ペナルティ 仮に期限までに相続登記申請しなかったら、どのようなペナルティがあるのでしょうか? 期限を守らなかった場合、 10万円以下の過料 が科されるリスクがあります。ただし、すでに複数回の相続が発生しており資料収集や相続人の確定に長期間を要する場合等、正当な理由があるときにはペナルティの対象にならないとされています。 遺産分割協議がまとまらないとき 遺産に不動産があるが3年以内に遺産分割協議がまとまらないときは、どうすればよいのでしょうか? 義務化されたということは、どうしても期限内にいったん法定相続分で相続登記し、そのあと遺産分割協議がまとまったら改めて確定したとおりに登記申請するしかないのでしょうか? その答えは「そんなことはしなくて大丈夫」です。そんな無駄な費用や手間をかけなくてよいように、 “相続人申告登記” という制度が新設されているからです。 相続人申告登記とは 相続人申告登記制度とは、 不動産の所有者が死亡したことと、自分がその相続人であることを、3年以内に法務局へ申告すれば、申請義務を果たしたとみなされる 制度です。 ただし、まだ遺産分割協議はまとまっておらず、不動産がだれのものかは確定していないため、所有権が移転したこと...

不動産取得税の軽減 | おしどり贈与でも使える特例

  (Jimmyblog-No.0105) 不動産取得税 土地や建物等の不動産を“取得”した者に対して、県が1回限り課税する地方税が不動産取得税です。 “取得”には、新築や購入(中古含む)だけでなく贈与なども含まれます。 税額は、土地と住宅については固定資産税評価額×3%(~令和6年3月末まで。本則は4%)です。なお宅地については、令和6年3月末までの間はさらに1/2に軽減されます。 住宅取得には軽減あり 上記の軽減以外に、 住宅家屋や宅地については、要件を満たせば適用できる軽減特例 が用意されています。 住宅家屋 は、新築であれば固定資産税評価額から 1,200万円の控除 が、中古取得でも350万円~1,200万円の控除ができる場合があります。 また宅地については、その上にある住宅が上記の控除の対象となる場合に限り、 住宅の床面積の2倍までの面積の土地(Max200㎡部分)については不動産取得税がかからない こととなっています。 おしどり贈与の場合 婚姻期間が20年以上の夫婦間で自宅(土地・建物)を贈与した場合に2,000万円までは贈与税が非課税とされる「贈与税の配偶者控除」という制度があります(いわゆるおしどり贈与)。 この制度を使った場合、不動産取得税はどうなるのでしょうか?贈与も“取得”として取り扱われるのだから不動産取得税もかかるのでしょうか? おしどり贈与は自宅(土地・建物)であることが前提です。ということは、住宅家屋・宅地に該当するため、他の要件(面積や築年数など)をクリアすれば、 不動産取得税の軽減特例を使える可能性 があります。 「不動産取得税がコストとして高くつくから、おしどり贈与はやめるべき」という文言を時々目にしますが、要件を満たして軽減特例が使えれば、不動産取得税についてはそれほど心配しなくてよいケースも多くあります。 軽減の申告が必要 ただし何もしなくても自宅なら軽減してもらえるか、と言うとそんなことはなく、 軽減を受けるためには県へその旨の申告が必要 です。具体的には期限までに対象不動産の登記簿謄本のコピー等、必要書類を添付して、軽減等申告書を提出することとなります。 手続詳細などについて不安な時は、宅建士や県等に相談するとよいでしょう。

相続した不要な土地を国が引き取ってくれる? | 相続土地国庫帰属法

 (Jimmyblog-No.0100) 土地に関するこれまでに例がない制度が始まる 相続が発生し土地を取得したが、遠隔地にあり利用予定がない、賃貸も売却も難しく管理の負担が大きいなどで手放したい時、国へ申請し認められればその土地を国に帰属させることが可能になります。 ただしどんな土地でもよいわけではなく、一定の条件があります。また、申請時には手数料を、承認後には負担金を納めなければなりません。 申請受付は今月(令和5年4月27日から)始まります。では実際にどんな土地が対象で、どのように申請などを進めていけばよいのでしょうか? 過去の相続による土地も申請できる 申請は、相続開始の時期にかかわらず、施行日(令和5年4月27日)からすることができます。たとえば 50年前に相続した土地であってもかまわない という事です。 費用の準備 申請時の手数料は、土地一筆につき14,000円 とされています。 承認後の負担金は、概ね10年分の土地管理費相当額であり、土地一筆につき20万円が基本とされていますが、実際にはその土地の利用形態(宅地・農地・森林)や面積ごとに定められた計算式によります。市街地で200㎡の宅地の場合は約80万円が目安となります。 土地の条件は厳しい この制度では 「申請できない土地」及び「承認されない土地」 が定められています。 「申請できない土地」 ①建物がある土地 ②担保権や使用収益権が設定されている土地 ③他人の利用が予定されている土地 ④土壌汚染されている土地 ⑤境界が明らかでない土地や所有権等について争いがある土地 申請はできても「承認されない土地」 ①危険な崖がある土地 ②庭木や工作物など地上に阻害物がある土地 ③除去すべき埋設物などが地下にある土地 ④隣地所有者等との争訟が必要な土地 ⑤その他通常の管理・処分に過分な費用・労力がかかる土地 法務局に事前相談できる 上記のとおり土地の条件は複雑なため、 申請前に電話予約すれば法務局で事前相談 ができます。相談はすでに令和5年2月頃から開始されています。 引き取ってもらいたい土地が条件を満たしているか、満たすにはどうすればよいか等のアドバイスを受ける事ができます。 まずは法務局等へコンタクトを 相続した空き家を抱えて困っている方やコストだけがかかる不要な土地に悩んでいる方は、 法務局や宅建業者...

不動産業者に媒介を依頼するとき

 (Jimmyblog-No.0098)  媒介契約には3つある たとえば両親の自宅だった家が空き家になってしまい売却しようとする時、不動産業者に仲介を依頼することがほとんどではないかと思います。なぜなら、買主を探して売買契約を締結し、さらにその後の法的手続一式を自力で行うことは一般的にはハードルが高いからです。 さてその場合、媒介(仲介)契約に3つの種類があることは、あまり知られていないようです。 3つの種類とは、①一般媒介契約②専任媒介契約③専属専任媒介契約です。それぞれ、どのような内容なのでしょうか? ①一般媒介契約 よく見かける、1つの土地に複数の業者の看板が立っているのがこの一般媒介契約です。 売主が、複数の業者へ媒介を依頼することができる契約です。また売主自身が買主を見つけても、つまり業者に仲介手数料を支払わないこととなっても問題ありません。 ②専任媒介契約 依頼する不動産業者を1つに決めなければならない契約です。 売主は、同時に複数の業者へ媒介を依頼することはできませんが、売主自身が買主を見つけても、つまり業者に仲介手数料を支払わないこととなっても問題ありません。 ③専属専任媒介契約 依頼する不動産業者を1つに決めなければならず、また、売主自身が買主を見つけて直接契約することはできない契約です。 自分で見つけた買主との契約であっても不動産業者を媒介させなければならない、つまり仲介手数料を支払わなければならないということです。 ①→②→③と自由度は減るがサービス内容は充実 専任や専属専任媒介契約は、自由に出来る事が制限されるように感じられますが、指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられるため買主を広く募る事が出来たり、定期的な報告が受けられるなどのメリットもあります。 専任や専属専任媒介契約は、ある種縛りがある契約なので、契約期間は3ヶ月以内でなければならず、自動更新もされません。よって万が一業者に問題があれば、更新しなければ済みます。状況を見ながら、自分にとって一番良いと思われる契約を選択するとよいでしょう。